「動的平衡」 福岡伸一
今まで私が高校の生物の授業などで、なんとなく知ったホメオスタシスについて自分はそこまで深く考えたことはなかったのです。なんとなく「身体の状態は一定に保たれる」としか認識していませんでした。
ホメオスタシスは動的定常状態のことなので、ほぼ動的平衡と同義かなと思います。
この本を読んで私は生命現象を語る上では、ただ物質や成分を見るだけではなくそれらのダイナミズム、つまり「動的平衡」を考えることが大切なんだということを知るきっかけになりました。
また、「動的平衡」の観点から疑似科学や遺伝子工学に対して物申すという部分がありました。(疑似科学を否定するところはすごく痛快…笑)現代の科学を今主流のアプローチではなく、違うところから見ることでそこから新しい意見や考えが生まれることに面白さを感じます。
ほかにも、「なぜ学ぶ必要があるのか」という疑問に対してこの本ほどしっくりとくる答えを示してくれた人は私の過去の学校の先生にはいないと言えるほど納得できます。
私は今度から視野を広げるためにも、生物学を学ぶ上で「動的平衡」のことを頭の片隅に置こうと思います。
生物学に興味がある人には間違いなくオススメできる本でした。ありがとうございます。
- 作者: 福岡伸一
- 出版社/メーカー: 木楽舎
- 発売日: 2009/02/17
- メディア: 単行本
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